看護師としてより良く働き、生きる。そのための転職指南

看護の仕事にやりがいを感じる一方で、過酷な労働環境で疲弊する看護師が少なくありません。働くことは生きることだとするのなら、より良く生きるためには「退職」か「転職」かの決断が迫られます。もちろん看護師の仕事を辞めて、新たな職に就くという選択肢もあり。しかしせっかくのスキルや経験を活かしながら、もっといきいきと働ける場所があるとしたら、あなたはそれを望みますか?当記事では転職を成功に導き、あなたがより良く働ける場所を探す方法を紹介します。転職に迷うあなたの、背中を押せれば幸いです。

7割以上の看護師が「辞めたい」

あなたはこれまで、何度「辞めたい」と思ったでしょうか。同様に、周りの看護師がどれほど「辞めたい」と考えているかを知っていますか?

2017年に医療労働組合連合会が実施した調査「看護職員の労働実態」によると、仕事を辞めたいと回答した看護師は全体の約75%。そのうち「いつも辞めたい」が約20%、「ときどき辞めたいと思う」が約55%という結果でした。参考:看護職員の労働実態調査結果報告(医労連合:2017年)

仕事を辞めたい理由は「人手不足で仕事がきつい(約48%)」、「賃金が安い(約37%)」、「思うように休暇が取れない(約34%)」、「夜勤がつらい(約28%)」などとなっています。他にも人間関係の問題や命を預かることへの不安など、仕事を続けていくうえで、看護師たちは日々さまざまな悩みや壁にぶち当たっています。

その一方で、一度看護師を退職してから「やっぱり看護の仕事がやりたい」と復帰する人も少なからずいます。前出の調査結果でも、看護の仕事に「やりがいを強く感じる/少し感じる」と答えたのは全体の約7割。多くの看護師が、仕事に対してやりがいを感じていることがわかりますね。

日本には現在、数多くの「潜在看護師」がいると言われています。その背景にはさまざまな問題がありますが、せっかく取得した看護師の資格を眠らせておくのは、もったいないと思いませんか?

看護の現場は常に人手不足で、常にたくさんの求人が出ている状況にあります。あなたが今いる職場だけが、看護師として働ける場所ではありません。勇気を出して転職への一歩を踏み出し、もっといきいきと働ける場所を探しにいきましょう。

 

看護師の転職が失敗する原因

さて、いざ転職しようと思っても、二の足を踏んでしまう……。それはもし転職して、「今よりもっと悪い状況になったら?」という不安があるからですよね。確かに、いくら求人が多数あるといっても、やみくもに動いて成功するほど簡単なことではありません。実際に、多くの失敗例も存在します。よくあるケースを見てみましょう。

給与や待遇など条件面だけを見て転職する

求人情報で見られるのは、勤務場所や給与、大まかな仕事内容といった表面的な情報だけです。人間関係や休みの取りやすさ、現場の雰囲気といった内情についてはわかりません。しかし後者の要素は、その職場で長く働くうえでは無視できないポイントですよね。表面的な条件だけで転職した結果、新しい職場に馴染めずに転職を繰り返す……という悪循環に陥るリスクがあります。

前の職場と正反対の転職先を選ぶ

これは、転職するときに陥りがちな罠の一つ。以前の職場と正反対の転職先を選べば万事OK!……とも限らないのです。

例えば大病院で働いていて、「夜勤が多い」「休みたくても休めない」といった不満があったとします。それなら次は夜勤がなく、定期的に休みが取れるクリニックを選べば、不満は解決するでしょうか?

実際には、そうでもなかったりします。人間関係のゴタゴタがあったり看護の質が低くてやりがいを見出せなかったり……これまで思ってもみなかった、新たな不満が生まれることも多く、結局「これなら、まだ前の病院の方がマシだった」と出戻るケースも見られます。

これらの失敗の原因は、事前の情報収集が足りておらず、「もう辞めたい!」と勢いだけで突っ走ってしまったことです。こうした失敗を防ぐために、転職前に踏むべきステップについて知っておきましょう。

 

転職で失敗しないための5ステップ

ここでは、転職を成功させるために踏むべき段階を5つに分けて紹介します。転職が成功するかどうかは、この事前準備にかかっていると言っても過言ではありません。

1.辞めたい、転職したい理由を深掘りする

まず初めにすべきなのは、転職する理由を明らかにすることです。

辞めたい、転職したいと思い至るにはそれだけの理由があるはず。そこをクリアにしたうえで、問題を解決できる職場を探さなければ、そもそも転職する意味がありません。

例えば「夜勤がつらい」なら、日勤のみのクリニックや訪問看護、「キャリアアップしたい」なら、より高度な技術や知識を得られる専門医療に特化した病院など。自分がなぜ転職したいかを突き詰めることで、目指すべき方向性や最も重視したい条件が明確になります。

2.今の職場の良いところをピックアップする

「なぜ辞めたいのか」がはっきりしたら、次に今の職場の良いところも挙げてみましょう。

失敗する原因でも触れたように、単純に今持っている不満だけを見て転職先を決めると、思わぬ失敗をする可能性があるからです。

例えば「夜勤が多くて大変だけど、人間関係が良好なので頑張れる」とか「緊急性の高い患者が多くてプレッシャーが大きいけれど、常に最新の医療に触れられるしスキルアップできる環境が整っている」といったように、今自分の置かれている状況を冷静に深掘りしていきましょう。

ここまでして初めて、自分が職場に何を求めているのかが明確になってきます。

3.優先順位を決める

新しい職場に望む条件がリストアップできたら、優先順位をつけていきましょう。

100%理想通りの職場は、そう簡単には見つかりません。ましてや、ある程度短期間で結果を出さなければならない転職活動中なら、なおさらです。

ここまでなら妥協できるけれど、これだけは譲れない!というラインを自分で決めておけば、良い求人を見つけてすぐに行動に移せます。

4.転職先の情報を集める

転職を成功させるには、情報収集が不可欠。求人情報に記載される表面的なものだけでなく、もっと突っ込んだ情報もリサーチする必要があります。

「医師のパワハラがひどく、看護師の定着率が低い」「人手不足で看護の質が低く、患者との接し方や器具の扱いがずさん」といったリアルな情報を得られれば、働き始めてからの「こんなはずじゃなかった」を防ぐことができます。

気になる求人を見つけたら、そこの内情をよく知る知人や、転職サイトのカウンセラーなどから詳しく聞き出しましょう。

5.ピン!ときたらスピーディーに行動する

転職を考えている看護師は、あなた一人だけではありません。「良さそうな募集を見つけたけど、もう少し他と比較してみてから……」なんて悠長なことを言っている間に、さっさと他の人に決まってしまいます。

100%理想通りの職場を見つけるのは無理と割り切り、ピンときたらすぐに行動に移しましょう。あらかじめ転職条件に優先順位をつけておけば、迷うことはありません。

より成功率を上げるための転職方法は?

看護師の求人を探すには、知人からの紹介やハローワーク・ナースセンターの利用、看護師向け転職サイトに登録する方法などがあります。どの方法にもそれぞれメリットがあるので、どれか一つの方法にこだわらずに、まずは使ってみると良いでしょう。

そのうえで、転職の成功率を上げるという観点でみると、より多く正確な情報を集めることが重要になります。そこで役立つのが、転職サイトです。

看護師の転職に特化した転職サイトには多数の求人が掲載されている他、表には出ない非公開求人もあります。多くの選択肢の中から、希望に合った転職先を見つけやすいのが大きなメリットです。

また、「転職のプロ」であるキャリアアドバイザーからのサポートも心強いです。慣れない転職活動で不安になる気持ちを励ましてくれますし、上手な書類の書き方や面接対策などについてのアドバイスも得られます。またキャリアアドバイザーは病院内の事情に精通しているため、気になることはどんどん質問しましょう。

転職サイトに登録しておくと、希望に合った求人が見つかったときに紹介を受けることができます。そのため複数のサイトに登録しておくのがセオリーです。

 

看護師向け転職サイトは多数ありますが、

 

・看護のお仕事

https://kango-oshigoto.jp/

・ナースではたらこ

https://iryo-de-hatarako.net/

・マイナビ看護師https://kango.mynavi.jp/

 

このあたりが看護師からの評価が高く、おすすめです。

転職は、いきいきと生きるための手段

「看護師の仕事が辛い。辞めたい」と思う日もあるでしょう。でも今とは違う、どこか他の職場でならどうでしょうか。

もしかすると、もっといきいきと、やりがいを感じながら働けるところがあるかもしれません。

転職は、あなたがいきいきと働き、生きるための一つの手段。転職を成功させるのに必要なのは、事前の情報収集と、適切なサポートと、ほんの少しの勇気。勇気を出したその先には、きっと今とは違った未来が待っているはずです。

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